集落“再熱”実施モデル地区支援事業

「集落“再熱”実施モデル地区支援事業」から始まる観光コミュニティーデザイン

I)集落“再熱”実施モデル地区支援事業

長野県庁の取組む「誇りある暮らし実現プロジェクト」の中核事業である「集落“再熱”自治モデル地区支援事業」は、人口減少や高齢化の進展などによる集落機能の低下に直面する地域において、市町村と住民が一体となって持続可能な地域づくりに向けて取組む地域を「モデル地区」として選定し、県庁の総合的な支援の中で、「信州の宝」である美しい農山村の維持発展を図ることを目的としています。峰の原高原地区は、本事業の対象地域として、平成26年度の「モデル地区」に選定されました。平成26年に集落“再熱”ビジョンを策定し、平成27年には、ビジョンに盛り込まれた取り組みを本格実施致します。

II)峰の原の抱える課題

峰の原高原は標高1500メートルに位置しており、菅平高原と隣接する日本で1番高いペンション村です。1971年に保健休養地開発によって誕生し、第1号ペンションは1974年に営業をスタートさせました。ペンションブーム、スキーブームの中、ペンションの軒数は増え、1996年には最多の81軒となりました。しかし、バブル崩壊による不況やブームの終わりなどの時代の変化に伴い、40年が経過した現在、最盛期81軒あったペンションは、半数近くの48軒にまで減少し、同時に、開業当時体力のあったオーナーも高齢になり、さまざまな課題が浮彫りになってきています。生活・環境面では、人口減少や少子高齢化、また、高齢化に伴う生活基盤(病院・公共交通・除雪・寒さ等)への不安等があり、観光面では、高齢化による景観維持活動のマンパワー不足や空きペンションの増加及びそれに伴う景観の悪化等です。これらの課題に対して、峰の原高原観光協会は、峰の原高原の未来を見据えた、持続可能なペンション村の仕組みづくりに向けて現在活動しており、峰の原高原の持つ歴史・文化・自然・コミュニティなどの地域資源を活かし、フィールドワークやワークショップを開催・提供するための仕組みづくりを行い、空きペンションの活用したリノベーションコンテスト等を開催していく予定です。

III)再熱の為の3つのテーマ

  1. 観光の実践フィールドとして提供
    ペンションスタイルの宿泊業体験
    健康保養地、スポーツリゾート地としての観光資源の再考、提案、実施
    イベントの企画立案、実行
    情報発信の課題と可能性、効果の検証
  2. 山岳建築としてのペンションの検証
    リノベーションの可能性
  3. 上信越国立公園における峰の原高原の環境への取り組み、保護と利用
    スキー場開発と草原の維持管理、在来植物の保全活動
    根子岳を中心に登山、トレッキングのツアー実施とガイド養成

IV)各テーマごとの連携

  1. 観光学部、地域づくり、コミュニティーデザイン関連の大学、高校、企業、団体
    峰の原高原はその地域住民の80%がペンション経営者です。生活の延長線上にあるペンションはその地域の日常であり、その為オーナーのライフスタイルを提供できることが最大の魅力でもあります。ペンションを通して観光を考えることは地域全体のデザインや持続可能な生活の豊かさを維持することにもつながります。ペンションオーナーとの交流から観光や地域デザイン、豊かさの本質を考えてみませんか。



    ペンション経営に長く携わってきたオーナーならではの実体験に基づいた講義、
    経営論から個性の生かしたペンション作りまで話題は豊富です。



    ベットメイキングや料理体験、庭整備などペンションの仕事体験
    様々な角度からペンションを見ることができます。



    峰の原のペンション村では多くのペンションオーナーとの交流が可能です。個性豊かなペンションのオリジナルスタイルを体験できます。



    30年以上歴史のあるテニス大会や高地レーニングのとしての需要が増えてきた陸上合宿やトレールランニング大会、冬場のスキー場内でのイベント各種、こうしたプログラムの企画や立案も可能です。



    スポーツイベントのみならず、オープンガーデンウォーキングや、写真撮影会、コンサートなどペンションオーナーの共通の趣味を生かしたグループごとのイベントも増えてきました。普人会という峰の原独自のグループが企画している人気のあるお菓子パーティーや高原食堂といったイベントにも様々な形で関わる事が可能です。

  2. 建築、設計インテリア関連の大学、企業、団体
    峰の原高原ペンション村は乱開発でない建築美のある、しかもさまざまな形態のあるペンション建築の博物館です。1974年の1号ペンションから早40年の月日が経ち、標高1500メートルの地にこれだけのペンションが今なお現存している地域は日本でただ一つです。スイスのツェルマットをモデルに開発の始まったペンション村の移り変わりをペンションの外観から感じていただけます。館内はオーナーの趣味が生かされたペンションならではのインテリアが数多く展示されそのバリエーションも多種多彩。峰の原ではペンションの見学ツアーも行っています。極寒の地ならではの体感建築、水回り、雪対策、光熱費対策などの研修ができます。



  3. 生態学、生物学関連の大学、環境アセスメント系企業、団体
    峰の原高原の多様な自然と遊歩道ネットワーク
     峰の原高原では、春から秋までのグリーンシーズンのお客様方に、気軽にその文化と自然を楽しんでいただくために、早い時期から遊歩道の整備が試みられています。文化とウォーキングを結びつけた企画は、すでに1970年代末に「大笹街道を歩き石仏を訪ねる会」が始まり、それにあわせて峠道の整備が行われて来ました。80年代には観光旅館組合の中に遊歩道委員会が設けられ、84年には大笹街道~スキー場下~別荘地区~第2ビレッジ~第1ビレッジを結んで回遊するコースが設定されて、道標が置かれました。この大回り遊歩道は翌年には、緋の滝やグリーンダボス地区とも接続されました。遊歩道の整備・管理はその後、観光協会環境整備部や美しくする会に引き継がれました。2000年代にはマイン(Mine)も活動しています。
     火山である根子岳の山裾の緩やかな斜面に位置する峰の原高原は、すぐ北側には大谷不動の急崖や梯子山が近接し、梯子山や北側の谷の下部は一転非火山性の地質になります。この両方の地質の接点付近には滝がいくつかかかり、点々と湧水がみられますが、火山性の高原一帯は一般に乾燥しています。緋の滝遊歩道・大笹街道遊歩道は、乾いた高原から水の風景・湿潤な環境に通い下る道です。また、下った先、かなりの広さで人家のない地域が広がっていますから、野生の領域につながる道でもあり、梯子山にはツキノワグマやカモシカのねぐらがあります。峰の原高原からも根子岳に登山道が上がり、例えば第二緋の滝の標高1200m強と根子岳山頂の2207mの差・約1000mが、峰の原高原を介して歩道で結ばれています。ツツジなら緋の滝下部では里のヤマツツジが出て来ますし、リンドウでは山のエゾリンドウと里のリンドウの分布の接点が峰の原高原です。気候でも、日本海側気候と太平洋側気候がこのあたりで接します。これに、スキー場ゲレンデ、落葉松植林地、ペンション村などの人工的土地利用の違いが加わりますから、多様な自然の風景が、恵まれた眺望とともに、豊かな遊歩道ネットワークによって気軽に楽しめるのです。



    登山道整備の為の草刈。在来植物の保全活動としてゲレンデの草刈、ススキ刈り。景観整備の伐採作業等



    山野草ツアー、ガイド勉強会、根子岳米子縦走など、観光資源としての利用

    調査研究のフィールドワークとして活用ができます。ゲレンデ在来植物保全活動、希少種保護、高山蝶やイワナ保全など、

V)さらなる展開へ

標高1500Mという地の利を生かした健康福祉、長期滞在型とヘルスツーリズム

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